スメル増田伝説
一日八食
密着・極限の食生活
一日八食、二郎を食べる男
――スメル増田の24時間――
一日八食を、すべて「二郎ラーメン」で済ませる男がいる。
常識も、健康診断の数値も、すべてを置き去りにしてきたこの男。
その名は――スメル増田。
(店のシャッター前で、腕を組み、無言で立つスメル増田)
彼の朝は、誰よりも早い。
【午前4時30分 自宅】
(目覚まし時計が鳴る)
時刻は午前4時30分。
一般的な家庭では、まだ夢の中だ。
(布団から起き上がり、シャワーを浴びるスメル増田)
※本日の一杯目まで、あと150分
スタッフ
「朝起きて、まずシャワーなんですね。」
スメル増田
「まあ、臭うからね」
スタッフ
「・・・、シャワーのあとはまず何をしますか。」
スメル増田
「…今日は、ニンニク入れるかどうかを考えてるよ。
朝はまだ、体が起ききってないんでね。」
朝一杯目にも、細かな調整がある。
それが、プロの流儀だ。
【午前6時15分 移動中】
(電車に揺られる増田。周囲の乗客は無言)
彼は、店までの移動時間も無駄にしない。
(スマホでメモを見る)
メモ内容
・今日の配分
1杯目:軽め
2〜4杯目:通常
5杯目:勝負
6〜8杯目:気合
スタッフ
「一日八食は、きつくないですか?」
スメル増田
「食べることも考えることも楽しいよ。
きついのはズボンくらいだねぇ。」
スタッフが愛想笑いを返す。
【午前7時 店前】
(行列はまだ短い。もちろんスメル増田は先頭)
午前7時。
彼はすでに、戦場に立っている。
【一杯目 実食】
(着丼。湯気。無言で箸を持つ)
スメル増田の一杯目は、体を慣らすためだ。
ニンニクは控えめ、野菜は標準。
(黙々と食べるスメル増田)
スタッフ
「今の一杯、どうでしたか?」
スメル増田
「まだ…二郎の“声”が小さいね。
これからだよ。」
【午後〜夕方】
(別店舗、別店舗、別店舗…テンポよく食べ進めていく)
昼、午後、夕方。
男は店を変え、味を変え、己を追い込む。
汗だくで食べ、無言で水を飲む。
スタッフ
「なぜ、そこまでして二郎に来るんですか?」
スメル増田
「理由…」
(少し考えて)
スメル増田
「…うちに鍋が無いんで」
【夜・7杯目】
(やや疲労した表情)
七杯目。
体臭は限界に近づいている。
(箸が一瞬止まる)
スタッフ
「今日は、ここまでにしますか?」
スメル増田
「…いや。」
(首を振る)
スメル増田
「まだ二郎のスメルに届いてねえだろ?」
【ラスト・8杯目】
(静かな店内。黙って食べる)
それは、義務でも、挑戦でもない。
彼にとっては、ただの一日だ。
【エンディング】
(夜の街を歩くスメル増田の背中)
彼は、味だけでなく――
ニオイの完成形を追い求めていた。
一日八食の二郎。
明日もまた、彼の朝は早い。
※良い子は絶対に真似しないでください
